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第1特集
枕営業、ヘアヌード、女優への道......

あのグラドルが"枕営業強要社長"の事務所で完全復活!

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──男を喜ばせる最高のエンターティナー・グラビアアイドル。そんな彼女たちの本音を所属事務所の社長を交えて探る。

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(写真/水野嘉之)

 本誌が揃えた一癖あるメンバーは、突如芸能界から姿を消したトップグラドル・瀬戸早妃、一昨年、グラビア・デビューするや否や、すぐにヌードを披露するという"離れ業"を演じた桜井まり、そして彼女たちが所属する事務所社長で、"肉欲接待強要疑惑"が報じられた佐高氏(顔出しNG)。そんな3人のドタバタ対話から見えてくる、グラビア業界の真実とは?

──まずは瀬戸さん、ずいぶん久しぶりになりますね。

瀬戸 この取材が1年ぶりの仕事なんですよ。「引退」とか言われることもありましたが、私としては芸能界を辞めたつもりはなかったんです。ただ、お芝居の仕事が増えてきたのに、自分はそれに自信がなくて、もっと勉強しなきゃならないって思っちゃったんです。それで、ニューヨークに行って語学とダンスを勉強しました。トータルで10カ月くらい。

──しかも、復帰に当ってはつい最近、「グラドルに肉体接待を強要していた」と元所属タレントに告発された佐高社長の事務所「エヌアンドエスプロモーション」に入られたとのことなんですが、大丈夫ですか?

瀬戸 なんですか、肉欲接待って?

──枕営業のことです。佐高社長が「フライデー」(9月4日号)で告発されてました。

瀬戸 ええっ! ひどいですね。社長がそんなことさせたんですか。まりちゃん、言われたことある?

桜井 ないです。

佐高 言うわけねーだろ! あの記事はデマ。今どき枕営業したって仕事とれないよ。テレビ局員も大手出版社員もサラリーマン化してて、そんなことをした日には自分たちの首が飛びかねないんだから。

瀬戸 まぁ、女性を武器にのし上がっていく人っていうのは、芸能界に限らずいるわけだし、本人次第だと思います。社長に言われても、イヤだったら断ればいいという話。それで仕事がなくなっても、自分の信念を貫いたのだからいいと思う。

佐高 仕事先のみんなでメシを食いに行って、女の子に連絡先を聞いてくる人もいて、その場が盛り下がらないように冗談で「メールくらい教えろよ(笑)」と言うくらいはあるけど、それは社交辞令だし。

桜井 そういえば、ありましたね……。あれって、本当にメールが来たらどうしようって、ストレスたまるんです(涙ぐむ)。

佐高 おい、桜井、今日は泣くなよ【註:桜井さんは本誌8月号の取材で泣いている】。メールは、冗談なんだから。

瀬戸 ヨッ、肉欲番長!

佐高 ち、違うだろ。本当に連絡が来たら、俺がうまく断るから。

瀬戸 でも、こういうことが悩みのうちは幸せだと思う。私、芸能界から離れて、海外とかで違う世界を見て、世の中には仕事も家もない人がいて、悩んでもどうすることもできない人がたくさんいると知りました。肉欲接待は、自分で解決できる悩みじゃないですか。贅沢ですよ。

──瀬戸さん、すごく大人になりましたね。今日は、「グラビアアイドルの喜びと悲しみ」というテーマで話を聞きたかったのですが、瀬戸さんは、もうグラビアはやらない?

瀬戸 いえ、すごくやりたいです! もともと、私はグラビアがやりたくて、この業界に入りました。グラビアというものをいろいろ深く知るようになってから、ちょっとイヤだなと思うこともあったり、それでも楽しいなと思ったり。いちばんイヤだったのは、私のことを知らない人たちが「ああ、グラドルでしょ」って、蔑んだりしたことかな。

佐高 瀬戸がデビューした8~9年前は大手芸能プロが参入し始めた頃で、まだ「水着仕事は安いもの」ととらえられてたんですよ。

瀬戸 当時通っていた学校も進学校で、グラビアの仕事が理解されづらかったんですね。友達だと思ってた人でさえ、陰で「あの子は脱ぐ子」「あの子は性格悪い」みたいなことを言っていて、傷ついて泣いてしまうこともありました。

脱ぐことは女優への最短ルートなのか?

──撮影現場でイヤだったことはあまりないんですか?

瀬戸 水着の首のヒモを外して手で押さえているのはイヤでしたね。あの頃、私はサンズエンタテインメントに所属していて、担当マネージャーはまだ独立前でサンズにいた佐高さんでした!

佐高 そうだったんだ……。俺の感覚だと、そこは麻痺しちゃってたな。最近は事務所側がどんどん「なんでもOK」になってきてる。過激さには、お客さんは飽きてしまって、グラビアアイドルも完全に供給過多の状態です。

──桜井さんは、どういう経緯でグラビアを始めたんですか?

桜井 私は大学在学中に舞台に出ていて、知り合いに紹介してもらって事務所に入ったんです。グラビアってよくわかってなかったんですけど、事務所に入れば女優としてステップアップできるかと思って……。

佐高 俺にだまされちゃったんですね~(笑)。というのは冗談で、本気で女優になりたかったら、水着グラビアで止まってないで、さっさと脱いじゃったほうがいいだろうと。普通は脱いだくらいじゃ、次に続かない場合も多いけど、桜井の場合は体もきれいで根性もあったから、映画の主演もすぐに決まるし、写真集も出た。演出上、脱げる女優を使いたい映画監督もたくさんいますから、脱ぐことはマイナスじゃない。

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瀬戸早妃(写真/水野嘉之)

瀬戸 脱がなかったら殺されるくらいの勢いで説得されたんじゃない?

桜井 芝居では脱いでもいいと思ってたんですけど、立ち読みできちゃう週刊誌にパブが載るって知らなかったし、ヘアヌードとも思ってなかったんですよ。

佐高 ヘアについては、言った言わないで、いまだにケンカになるよな。

桜井 写真集の撮影の前に某週刊誌でヌードの撮影があったんですけど、私、撮影の2~3日前に副編集長に「ヘアヌードはイヤです」って直接電話したんです。いい人だったから、聞いてくれるかなと思って。

佐高 タレントが編集部に直談判なんて聞いたことねーよ!

桜井 胸はいいと思うんです。大学の授業で裸婦を描いたことがあって、女性の曲線美はきれいだなと思ってたんで。でも、毛はいらなくない?って思って……。

佐高 ばか言うな。歌麿の春画見てみろ。いま高値で売れてるんだぞ。

桜井 でも、ヨーロッパの絵では描かれてないし……。

佐高 大御所カメラマンに撮ってもらう予定だったので、逃げたりしないかヒヤヒヤものでした。それがいい数字が取れて、またすぐ撮ろうということになり、俺の読みは間違ってないなと思った。俺は商品──映画や写真集を"作品"と言うのはきらいで、"商品"と呼んでるんですけど──次第だと思うんですよ。この商品ではこれはする、この商品ではこれはやらないと、タレント本人の意見を聞きつつ、事務所の意見を押し付けつつ、互いが納得したうまいところにはまればいいなと思う。

瀬戸 私は心のバランスが大事。挑戦しなければいけないこともたくさんあるけど、無理して悩んでしまっては、次が続かない。がんばって挑戦してそれでも自分は大丈夫というギリギリのところを、社長と相談しながらうまくやっていきたいです。

佐高 瀬戸も桜井も、まだグラビアの仕事は続けてもらいますよ。

瀬戸 需要が少しでもあるなら、やらせてください!

──桜井さんは?

桜井 えーと、最初にグラビアを撮るときに、「digi+KISHIN」のMEGUMIさんと小池栄子さんの作品を見せてもらって、すごくかっこいいなと思ったんですよ。で、このあいだ篠山紀信さんに撮ってもらって「shinoyama.net」で配信されたんで、私の中のゴールは達成できたかな、遺作になるなって……。

佐高 おいおい、遺作ってなんだよ。グラビアはスタートライン。グラビアじゃ、ビルは建たないぞ。

グラビアはド素人が主人公になれる現場

──ところで、事務所とタレントがもめる要因のひとつに恋愛問題がありますが。

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桜井まり(写真/水野嘉之)

佐高 「男と付き合うのは構わない、ただ教えてね」と言ってあります。教えてもらえれば、コントロールできますから。ただし、ほかの事務所に迷惑がかかるような恋愛はだめ。

瀬戸 私は、会社に迷惑がかかるようなことはしません。これまでの経験から考えると、会社とタレントの関係でいちばんよくないのは、うそつくことだと思う。

佐高 俺も、うそつきませんよ。

桜井 社長、うそついた……。

佐高 なに!?

桜井 私が「ヘアはイヤだ」って言ったら「わかった」って……。

佐高 また、それかよ。イヤだってことは「わかった」って言ったけど、「やらない」とは言ってないよ。おい、桜井、もっと前向きな話をしろよ。俺は絶対いけると思ってるよ。映画にもう2作主演してるんです。ほら、新作映画のPRをしろよ。

桜井 えーと、落語の牡丹灯籠という怪談を元にした『新説牡丹灯籠』なんですけど、ホラーとサスペンスと……なんか幻想的な感じで、私の役は、ずっと浴衣を着てて、地獄とこの世の狭間が見える役なんですけど……(社長がにらむ)きゃー怖い。

佐高 全然伝わってないよ! 自分の商品の説明すらできないで、どうすんのよ。グラビアってね、ド新人が主人公になれちゃう現場なの。その小さい畑の中で主人公としての技術を身につけてもらって、少しずつ立ち位置を上げていってほしい。それが俺のグラビア戦略。グラビアで売れても、しゃべれない・つまらないじゃ、それ以上売れないよ。

桜井 あっ、社長、今日めがね違いますね。

佐高 そうそう、前のめがね、犬に噛まれちゃってさ。って関係ねーだろ! じゃ、せっかくだからさ、グラビアで楽しかったことを話せよ。

桜井 海外に行ったこと……。

佐高 そんなことかよ!

桜井 えーと、私のグラビアを見て「キレイだね」と言ってくれる優しい人がいたり、私なんかのために立派な大人の人が話を聞いてくれたり……私は小さい頃から中心にいるようなタイプの子じゃなかったので、うれしかったです。

──今後は、この天然ぽいキャラをうまく生かせるといいですね。

佐高 まあ、やっぱり桜井は芝居中心でいったほうがいいな。唐沢寿明さんとかは、芝居もすごいけど、話術も磨かれてますよねー。桜井も、本当はそういう方向に行けたらいいんですけど、厳しいなぁ。

瀬戸 唐沢さんも、いろいろ遊んで経験していく中で、トークの技術を磨いたのかもしれないね。

桜井 えー、ショック(涙ぐむ)。

佐高 なに? なんか泣くようなこと言った?

桜井 だって、唐沢さんが遊んでるって……。

瀬戸 あ、そうじゃなくて、たくさん人と会ってしゃべっていくことで、おもしろくしゃべれるようになれるのかな、ってこと。実際、キャバクラで気遣いや接客の技術を磨いてきて、今はこの業界でがんばってるっていうような人もいっぱいいるし。一概に何がダメっていうことはないのかなって。

佐高 さすが、瀬戸! これがキャリアの差ですよ。瀬戸は芸能界に入って10年近く、桜井はまだ2~3年。女性タレントさんは28歳を過ぎてから安定する傾向があるんですけど、それまでにだいたい辞めちゃうんですよ、婚活で。だから、あと4~5年の間にしぶとく残って、2人とも息の長いタレントに育てます!

──いい社長ぶりをアピールしたところで、終わりにしておきましょう。

(構成/安楽由紀子)


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写真集『TOUGH & PEACE』(小学館/05年)

瀬戸早妃(せと・さき)
1985年生まれ。宮城県出身。15歳でスカウトされてデビュー。2003年、ミス週刊少年マガジンに選ばれ、その後、トップグラビアアイドルに。女優としても活躍し、ドラマ『花より男子』、『水戸黄門』(TBS系)などに出演。しかし、07年、突如、休業して渡米。今は女優業に本格的にチャレンジすべく、さまざまなオーディションを受け続ける日々だという。


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写真集『桜花』(彩文館出版/09年)

桜井まり(さくらい・まり)
1985年生まれ。千葉県出身。07年デビュー。グラビア、DVD、写真集などで活躍するほか、女優としても活動。08年、映画『十年愛』に主演。11月20日、主演映画『新説牡丹灯籠 壱 この世の果て』が公開される。


まりちゃんに代わって出演映画紹介!

『新説牡丹灯籠 壱 この世の果て』
両親を交通事故で失った琴(桜井)は、"地獄の裂け目"と"死者の霊"が見える、不思議な能力を身につける。その後、交通事故現場に立ち寄った琴は、自殺をしようとしている青年・真治と出会う。真治も同じ交通事故で恋人を失い、絶望の淵にいたのだ。そして、そんな2人の奇妙な同棲生活が始まるのだが……三遊亭圓朝の「牡丹灯籠」をモチーフにしたジャパネスク・ホラー。11月20日に渋谷シアターTSUTAYAにて上映イベントあり。詳細は、http://www.takeshobo.co.jp/sp/botandourou/
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