トム・ハンクスが自分の主演作として、ノンフィクション『チャーリー・ウィルソンズ・ウォー』の映画化権を買った時、世間は驚いた。チャーリー・ウィルソンは民主党の元下院議員で、トム・ハンクスも民主党の大物サポーター、2人とも黒人や中絶の権利を支持し、銃の規制に賛成するリベラルだが、それ以外はまるで似ていないからだ。
1980年代、グッドタイム(ごきげん)・チャーリーは、そのあだ名の通り、連夜プレイメイトをはべらせてパーティでバカ騒ぎを繰り返していた。「チャーリーズ・エンジェル」と呼ばれる巨乳美女の秘書たちを引き連れ、「デカパイの秘書は、タイプが打てる秘書より探すのが難しいよ」と自慢した。ウィルソンは、セックスだけでなく、酒とコカインにも溺れていた。そんなただれた政治家を、なぜ『フォレスト・ガンプ』の善人俳優が演じるのか?