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タブー破りの"社会問題"本

三島由紀夫、菅野美穂、田中眞紀子らも泣いた!怒った!問題視されたキケンな発禁本と表現者たち

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 エポックメーキングなニュースとして世の中を騒がせた代表的な"発禁本"を紹介しよう。猥褻表現、プライバシー侵害、名誉毀損......出版に"待った"が掛かった理由はさまざまだ。

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『秘蔵版 発禁文学』(コスミック出版)。

 出版したにもかかわらず、「これ以上、流布させてはいけない」との烙印を押され、姿を消していく本がある。いわゆる"発禁本"だ。一口に発禁本といっても、そのようになる理由はさまざまである。

 まずは発禁になった理由が、作中に"露骨な性描写"などが含まれることから、猥褻物頒布といった容疑で摘発され、頒布や発売が禁止された代表例を見ていきたい。

 戦後初めて摘発されたのが、1947年に創刊されたカストリ雑誌「猟奇」である。カストリ雑誌とは、粗悪な用紙を使い、エロ(性、風俗)グロ(猟奇、犯罪)を中心とした記事を掲載した大衆娯楽誌のこと。赤線などの色街探訪記事、猟奇事件記事、性生活告白記事、ポルノ小説などのほか、裸の女性の写真や挿絵などが掲載された、今でいう「アサヒ芸能」(徳間書店)や「週刊大衆」(双葉社)的なポジションの雑誌といっていいだろう。そんな同誌第2号に掲載されたポルノ小説の中の表現が違法と見なされ、猥褻物頒布罪で摘発、発禁処分にされている。

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2010年話題の賢人がセレクトするタブー破りの本300冊【8】

グラビアアイドル・谷桃子が選出 キャバ嬢に人を幸せにする方法を学ぶ2冊

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──批評家による禁断のアーティスト本、大宅賞作家が選んだ禁忌な一冊、さらには、ネット発のカリスマバンドメンバーから人気グラビアアイドルまで、今年の賢人たちが選んだヤバい本を一気にレビュー!

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谷 桃子(たに・ももこ)
84年、茨城県生まれ。グラビアアイドル。『ゴッドタン』(テレビ東京)など数多くのバラエティ番組をはじめ、ドラマや映画で女優としても活躍。史上初のKYグラドルとして注目を集め、多くの芸人たちからその強烈キャラは高い評価を得ているが、今回の取材では女の子らしい、意外(!?)な一面をのぞかせた。

■みんなをハッピーにさせたい!人気グラドルが手本にする名著

 どちらかというと、女の子に向けた本のほうが好きで、書店に行くとそういったコーナーで必ず足を止めるようになりました。

 今回紹介する『筆談ホステス』【14】も、書店でいつものように散策しているときに巡り合いました。知っている方も多いと思いますが、この本は耳が聞こえないホステスさんのお話。元々、10年1月に放送された北川景子さん主演のドラマで彼女のことは知っていました。

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2010年話題の賢人がセレクトするタブー破りの本300冊【7】

神聖かまってちゃん・みさこが選出 『ファイナルファンタジー』のイラストレーター・天野喜孝が描くアート本

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──批評家による禁断のアーティスト本、大宅賞作家が選んだ禁忌な一冊、さらには、ネット発のカリスマバンドメンバーから人気グラビアアイドルまで、今年の賢人たちが選んだヤバい本を一気にレビュー!

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神聖かまってちゃん・みさこ(ミュージシャン)
85年、千葉県生まれ。10年の最重要バンドとの呼び声も高い神聖かまってちゃんの紅一点ドラマー。エモーショナルなドラムとオタクなキャラクターで、ファンも多い。10年12月8日ワーナーミュージック・ジャパンより、アルバムが2枚同時発売された。

■神聖かまってちゃんドラマーが語る 天野喜孝ら巨匠が描くアート写真集

 もともと読書は好きなんですけど、職業がミュージシャンなので必要に迫られて本を読むことはありませんが、本屋で立ち読みをして、気に入ったら購入しています。そんな私が一目惚れしたのが、小説家の夢枕獏さんが書いた戯曲をもとに、陶芸家の叶松谷さんが器を作り、そこに画家の天野喜孝さんが絵を描く、という豪華なコラボによって生まれた陶器の作品集『楊貴妃の晩餐』【13】です。読後の感想を一言で表すと「やりすぎ」(笑)。でも、その突き抜け方が、この本の魅力だと思います。

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2010年話題の賢人がセレクトするタブー破りの本300冊【6】

ラジオパーソナリティー・小島慶子が選出 柳美里の壮絶な過去を知る暴露本

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小島慶子(こじま・けいこ)
72年生まれ。ラジオパーソナリティー。95年TBS入社、99年第36回ギャラクシーDJパーソナリティー賞受賞。テレビでは『時事放談』などを担当した。10年7月よりフリー。TBSラジオ『小島慶子 キラ☆キラ』などで活躍中。

■家族だからこそ言えない秘密がある 人気女流作家による衝撃の暴露本

 今年の7月にフリーになって以降、何げなく手に取ったのが柳美里さんのノンフィクション『ファミリー・シークレット』【11】。局アナ時代、柳さん原作の映画『命』の製作発表会でご一緒したこともあり、興味を引かれたんです。

 この作品は、柳さんが中学生の頃から繰り返していた自殺未遂と家出、うつ病、実父から受けた虐待、自身の息子を愛していても、しつけと教育上、思わず手を上げてしまうという悩みなどを赤裸々に語っていますが、これは本当に勇気のあることだと思います。一読、重たく感じるテーマですが、同じようなつらい経験をされている方も沢山いらっしゃるはずですから。私が共感したのは、幼い頃から父親と確執がある彼女が、臨床心理士と3人でカウンセリングを行うくだりです。

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2010年話題の賢人がセレクトするタブー破りの本300冊【5】

AV女優として復活した小向美奈子が選出 愛とセックス、そして"死"を見つめ直す2冊

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小向美奈子(こむかい・みなこ)
85年、埼玉県生まれ。15歳のときにグラビアアイドルとしてデビュー。09年、覚せい剤取締法違反で逮捕された後、同年、浅草ロック座の舞台でストリップデビューを果たし、話題を呼んだ。10年8月28日に公開された『花と蛇3』では主演を務める。小向美奈子オフィシャルホームページ 〈http://www.minakokomukai.com

■『花と蛇3』に出演する彼女が読んだ「愛」と「死」を見つめ直す秀作

 基本的に、本といえば絵本が好きで、小さい頃はいろんな国の童話がいっぱい入った作品集を持ってました。中でも特に好きなのが『ずーっとずっとだいすきだよ』【9】という作品。これは私が小学生の頃によく読んでいたんですが、今年に入って偶然見つけて、あらためて読み直したんです。それが、やっぱりすごくいいお話で......。

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2010年話題の賢人がセレクトするタブー破りの本300冊【4】

『もしドラ』の岩崎夏海が選出 今までにない読書体験をもたらす重厚でコミカルな1冊

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岩崎夏海(いわさき・なつみ)
68年、東京都生まれ。東京藝大卒業後、秋元康氏に師事、AKB48のプロデュースに携わる。初の著書『もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの「マネジメント」を読んだら』(ダイヤモンド社)がミリオンセラーに。近著に『甲子園だけが高校野球ではない』(廣済堂出版)、オーディオブック版『もしドラ』も発売中。

■ミリオンセラー作家が追い求めた鬼才・ピンチョンの人智を超えた傑作

 今回紹介する『メイスン&ディクスン』【8】の著者トマス・ピンチョンとの出会いは、さかのぼること約10年前。海外小説を紹介するムック本が新潮社から出版され、その中でこの作品が取り上げられていたことが発端でした。その後、初めて彼の作品(当時発売されたばかりだった)『ヴァインランド』(新潮社)を手に取ったわけですが、まぁこれが、非常に衒学的で、歴史や文化が細密に描かれ、思想的なものが重層的に展開しており、その割にはポップカルチャーの彩りが濃く、キャラクターやストーリーがコミック調......と、僕がこれまで味わったことのないような読書体験をもたらしてくれました。非常におこがましくはありますが、僕はかなりの読書家だという自負を持っていますが、同書はこれまでに味わったどの読書体験とも違っており、「こんな小説がまだあるのか」と衝撃を受けたものです。

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2010年話題の賢人がセレクトするタブー破りの本300冊【3】

カンヌ国際映画祭グランプリ・河瀨直美が選出 女性のセックス観がわかる1冊

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河瀨直美(かわせ・なおみ)
69年、奈良県生まれ。97年、初の劇場公開作『萌の朱雀』でカンヌ国際映画祭カメラドール(新人監督賞)を受賞。また07年には、『殯の森』で同グランプリを受賞。2010年11月には、比類なき女たちの美しさを描いたドキュメンタリー作品『玄牝―げんぴん―』が公開された。

■カンヌ受賞の女流監督がすすめる女性に優しいセックス指南書

 本は海外ロケに出かけるときや、半身浴をするときに読んでいます。好きなジャンルはミステリー小説やポエム。こだわりはないのですが、恋愛小説や泣ける作品は、あまり興味が湧きません(笑)。

 今回、私がヤバいとオススメする『女医が教える本当に気持ちのいいセックス』【7】は、新幹線で東京へ向かうとき、たまたま駅の書店で見つけ、著者が女医さんというところに興味を持ち、手に取りました。こういったたぐいのセックス・ハウツー本はこれまでに読んだことはなかったのですが、女性視点で書かれている男性へ向けた指南書というところが新しいかなって思いましたね。

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タブー破りの300冊アイドル写真集【3】

アイドル評論家・岡田隆志に聞く 「アイドルに撮らされた写真」ではなく「いかに珍しい表情を引き出すか」が重要

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 アイドル好きは、カメラマンによる違いをどう見ているのか? アイドル総合情報サイト「スクランブルエッグ」の岡田隆志編集長に話を聞いた。

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──アイドル写真集には、カメラマンによる違いというのはあるのでしょうか?

岡田隆志(以下、) 作風というのはもちろんありますが、私が一番感じるのは、被写体とカメラマンとの"距離感"ですね。「フォトセッション」という言葉がありますが、音楽のセッションのように、写真でもアイドルとカメラマンの呼吸が大切です。いいコミュニケーションを取れているか。緊張感のある関係性を築けているか。そういうものが、アイドルの表情やポーズからにじみ出てくるんですよ。

──なるほど。それは具体的には?

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タブー破りの300冊アイドル写真集【2】

篠山紀信、藤代冥砂、『妄撮』シリーズのTommy...大御所から若手まで網羅! グラビアカメラマン大全

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ギャラもガッポリ!!〈大御所系〉

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■大御所系
野村誠一

愛衣
『Home Sweet Home』
(小学館)
妻が芸能プロダクションを経営。なぜか今はGacktと大の仲良し。


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■大御所系
篠山紀信

宮沢りえ
『Santa Fe』
(朝日出版社)
大御所の中でもギャラがひと桁違う、大御所中の大御所。


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タブー破りの300冊アイドル写真集【1】

「アイドルに会える」といったって...... ギャラ低下で中堅が最も苦境!?グラビアカメラマン【悲】物語

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──アイドルに会えて出版社のカネで海外に行けて、その上ギャラもガッポガッポ......は、もはや昔の話......。AKB48隆盛の一方で、ジリ貧なグラビア業界の影響をモロに受け、苦境に立たされるグラビア系カメラマンの今を追う!!

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前田敦子の最新写真集『不器用』(小学
館)。

書店の片隅で怪しい輝きを放つ、アイドル写真集。セーラー服やビキニ姿の女の子たちがポーズを決めるそれらの表紙は、男性諸氏にとってはどうしても人目が気になってしまい、立ち読みするのにも勇気がいるシロモノであろう。

 しかし、写真集で注目されるのは、被写体のアイドルばかり。撮影者であるカメラマンの名前が意識されることは、少なくとも一般読者にとってはほとんどあるまい。そこで本稿では、そんな「カメラマン」という存在に着目、そこからうかがい知れる、アイドル写真集の業界事情を眺めてみたい。

 まず最初に、「大御所」「中堅・若手」「亜流&作家系」と、グラビア系カメラマンを大きく3ジャンルに分け、まとめたものが上記の図表だ。とはいえ、そもそもここに列挙されているのは、人気アイドルの写真集を撮影できるような"一線級"の人たち。その下には、雑誌のグラビアなどを単発的に撮っている名もなきカメラマンたちが無数に存在する。

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連載
未来からのシナン-目指せ!
田中圭一の
未来からのシナン
『現代のビジネスマンたちの悩みを解決する、超SFマンガ。』

宇野常寛の批評
宇野常寛の
批評のブルーオーシャン
『さらば、既得権益はびこるレッドオーシャン化した批評界!』

マル激 TALK ON DEMAND
神保哲生×宮台真司の
マル激 TALK ON DEMAND
『ゲストと共に“ワンテーマ”を掘下げるネット発の時事鼎談。』


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