世界的な“むし”の権威が語る!――技術革新で変わる採取と新種の発見
2020年12月21日 11:00
2017年7月 6日 11:00
――中公新書から出された『応仁の乱』がバカみたいに売れている。日本史関連の書籍としては異例のことだというが、知られざる史実をつまびらかにしたような本当に面白い書籍は、ほかにもあるのではないか――。そんなヤバい“日本史”本15冊を、歴史学者や社会学者、ジャーナリスト、お笑い芸人らに紹介してもらった。
武田徹(たけだ・とおる)
1958年生まれ。国際基督教大学大学院比較文化研究科卒業。恵泉女学園大学教授などを経て、専修大学文学部教授。著書に『私たちはこうして「原発大国」を選んだ』『日本ノンフィクション史』(いずれも中公新書)など。
国内メディアを牛耳った正力松太郎。(写真/近現代PL/アフロ)
日本の戦中戦後史というと、軍部=悪、庶民=善というふうに単純化されがちですが、それだと当時を生きていた人間の厚みは見えてこない。もっと重層的なものの見方が必要だと思うんです。そこでまず紹介するのは『もの食う人びと』【1】。作家の辺見庸が、「食」を人類に共通する普遍的なテーマと考えて、世界の辺境を旅しながらバングラディッシュの残飯食やタイにある日本の猫向けの缶詰工場など、さまざまな食の現場を取材していくルポルタージュです。その中に「ミンダナオ島の食の悲劇」というエピソードが収められていて、これが太平洋戦争のタブーを考える上でとても興味深い。何が書かれているかというと、戦後もフィリピンに残った日本兵たちが、現地の農民を食べる人肉食を組織的にしていたという話なんです。この事実は92年に一応共同通信で報道されたそうなのですが、あまり知られていない。それだけタブー意識に触れるテーマだったのだと思います。そんな話を扱いながら、辺見をかつての現場に案内する現地の村人たちは、あまり告発するスタンスに立っていない。南京大虐殺はあれだけ日中間の重大な問題であり続けているのに、日本とフィリピンの間でなぜこの人肉食があまり問題になっていないのかということは、きちんと考えないといけない。
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